コレステロールの正体を知って、動脈硬化を予防する
コレステロールの重要な役割
コレステロールは細胞膜や神経細胞の材料となるもので、脳や肝臓、神経組織などに多く含まれています。また、性ホルモン、副腎皮質ホルモンなどのステロイドホルモン、胆汁酸、ビタミンDの原料となり、生命維持に欠かせない重要な物質です。
体内のコレステロールの量
コレステロールの量は食事からのものと、体内で合成されるものとから成ります。
食事からのコレステロールの摂取量が多い場合には、体内(肝臓)での合成量は少なくなり、反対に食事からのコレステロールの摂取量が少ない場合には、体内での合成量が多くなるように調節されています。そのため、体内のコレステロールの量は常に一定に保たれるように調節されています。
悪玉コレステロールLDLと善玉コレステロールHDLの役目
悪玉コレステロールLDLは、主に肝臓で作られたコレステロールを血液に乗せて全身に運ぶ運搬役で、
善玉コレステロールHDLは、余分なコレステロールを回収して肝臓に戻す清掃役をになっています。
動脈硬化の原因はLDLコレステロールが多すぎること
血液中のLDLコレステロールが多すぎると血液がドロドロ状態になり、また余分な分が血管壁に入り込み、活性酸素で酸化されて酸化LDLとなり、マクロファージの働きで血管壁が肥厚し、動脈硬化に進行します。
動脈硬化のリスクと対策
動脈硬化のリスクを下げるには悪玉コレステロールLDLを減らし、コレステロールの回収清掃役の善玉コレステロールHDLを増やせばよいのですが。
動脈硬化のリスクの計算式:LH比とは
LH比はLDLの数値÷HDLの数値で表す
LDL÷HDLが1.5以下・・・血液がきれいで健康 例 LDL 120÷HDL 92=1.3 LH比1.3<1.5
LDL÷HDLが2.0以上・・・LDLが多くて動脈硬化の疑い 例 LDL 120÷HDL 57=2.1 LH比2.1>2.0
LDL÷HDLが2.2以上・・・血栓ができ動脈硬化が進行 例 LDL 120÷HDL 52=2.3 LH比2.3>2.2
LH比を1.5以下にして健康な血液・血管にするには
飽和脂肪酸(肉類の脂、ラード、バター)は悪玉コレステロールLDLを増やし、逆に不飽和脂肪酸(魚の脂身、植物性油脂)は悪玉コレステロールを減らす
一価不飽和脂肪酸オメガ9系・・・悪玉コレステロールだけを減らす。もっとも摂りたい。オリーブ油、菜種油、サフラワー油、ヘーゼルナッツ等
多価不飽和脂肪酸オメガ6系・・・悪玉コレステロールを減らすが、摂りすぎると善玉コレステロールも低下させる。ごま油、コーン油、ヒマワリ油、サラダ油
多価不飽和脂肪酸オメガ3系・・・悪玉コレステロールを減らし、血管の若さを保つ。アマニ油,エゴマ油、マグロ、ブリ、サバ、イワシ等の魚油(DHA・EPA)
油を使うならエキストラバージンオリーブオイルが最適
熱に強く、酸化し難く、ポリフェノールも含有している。
魚料理を食べるとオメガ3系のDHA・EPAが摂れる
毎日食べてもよいほど。
原材料表示ラベルで、ショートニング、マーガリン、加工油脂、植物油脂の表示食品は控える
パンや菓子類の原材料標示を確認して、ショートニング、マーガリン、加工油脂、植物油脂、の表示があれば、これらの油に含まれるトランス脂肪酸が、善玉コレステロールを減らして、悪玉コレステロールを増やし、さらに心臓疾患にも繋がるので控えるようにする。
トランス脂肪酸含有量の多い順に、ショートニング >マーガリン>加工油脂 >植物油脂のようです。
揚げ物等を必要以上に加熱調理しない
酸化コレステロール(揚げ物の長時間加熱等)を摂ると血液中に超悪玉の酸化LDLコレステロールが増える
酸化LDLコレステロールは悪玉LDLコレステロール以上の超悪玉コレステロールで、動脈硬化等の原因物質であり、これは揚げ物やパン等を長時間レンジ等で加熱することで食品中のコレステロールが酸化することで生まれます。
抗酸化物質を多く含有する食品を食べる
また体内でも活性酸素でコレステロールが酸化して酸化LDLコレステロールが生じます。活性酸素を消す抗酸化物質を多く含有する緑黄色野菜やポリフェノール含量が多いナッツ類等を摂ることが大切です。また、おやつには抗酸化物質であるポリフェノールが多い高カカオチョコレートがお薦めです。
中性脂肪を減らす
中性脂肪値が増えると善玉コレステロールHDLが減り、悪玉コレステロールLDLが酸化して超悪玉の酸化LDLコレステロールになって動脈硬化をひきおこします。
中性脂肪を減らす食事は、DHA・EPAを多く含む魚介類、食物繊維を多く含む海藻、キノコ、野菜、豆類、血液中のコレステロールや中性脂肪を減らす豆腐や納豆等の植物性蛋白質で、これらを多くとることで中性脂肪を確実に減らすことができます。
ウォーキング等、有酸素運動で悪玉コレステロールLDLを減らす
ウォーキング等の有酸素運動は善玉コレステロールHDLを増やし、悪玉コレステロールLDLを減らす効果があることが知られています。目標の7000歩でなくとも、半分の3500歩でもとにかく歩くことを始めることが大切です。
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